2018年06月30日

罹災証明の効力

罹災証明が、どのように発行されるかご理解頂けましたか?
わからない方は、昨日の記事をご覧ください。

では次の段階。
実際、罹災証明ってどんな効力があるのでしょうか?
まず、税金の優遇があります。
様々なローンを組む時に金利の減免や優遇があったりします。

『公』にお金を払う機会では、一応「罹災証明あるんですが」と言ってみる価値はあります。
公立高校の学費の減免や、支払いを待ってくれたりする場合があります。
市内巡回バスなど、『公』運営のバス定期などは優遇があるかもしれません。

不動産の購入や賃貸契約でも役立つ場合があります。
民間であっても、
発信力のある社長・会長・CEOのいる会社は大いに希望があります。
その人のTwitterやブログに
「携帯電話料金半年無料にする」なんて書いてある場合もあります。

子供の教育に関するものも、優遇されることが多いです。
購入したいものがあるときは、販売先のホームページなどを見るべきです。

我が家の場合は、当時の住宅都市整備公団(のちのUR)の団地において
無抽選での入居。
敷金・申込金免除。一定期間家賃無料。その後もしばらく減免。
たいへん助かりました。
地震から半年たっていたので
「まだ罹災証明つかえるんだな」と思ったことを覚えています。

意外なところで、意外な効力を発揮する場合もあります。
罹災証明がある人は、証明のコピーと実家の写真を常に準備しておくことをお勧めします。
さらに言えば
罹災証明は家に対して出るものですから、世帯主の名前で書かれていると思います。
その人との関係が証明できないと「私も被災した」とは言えません。
ですから、災害当時の家族全員の住民票など同居の事実を証明できるものを用意することも重要です。
被災によって、他の市町村に出てしまった後、その証明を出すのは大変です。
除籍票になってしまうので、転籍・転出前に出しておく。それを大量にコピーして家族でもっておく
ことが大切です。

これらのこと、役所では教えてくれません。
後になって
「あの時に言ってくれれば良かったのに」はありません。
また、決して役所を責めないでほしいとも思います。
役所の職員も被災しているはずです。一人一人に細かく時間をかけて
相談に乗っている余裕のないのも災害時です。
あらかじめ、平時から一般市民自ら知識を持っておくことが大切です。
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2018年06月29日

罹災証明ってなんだろう

りさいしょうめい
災害が起きるときく単語ですが。一般的にはどうでしょう?
意味をちゃんと分かっている人はどれくらいいるでしょうか。

被災者となったひとがもらえる証明書といった感じですが。
念のため確認しておくと。

地震によって足を切断した。
障害が残る大けがをした。
そんな人に対して罹災証明はでません。
罹災証明は、家屋のうけたダメージに大して証明するもので
もう住むことができない。建ってはいるけどいつ壊れるかわからない家に出るのが『全壊』認定。
今は大丈夫そうだけど、大幅に修復しないと住んだらヤバイ家に出るのが『半壊』認定だと思ってください。

ですから、その判定をするのは医師ではなく建築士や住宅の専門家です。
被災者の基準は家の壊れ方によって判別されると考えてもよいと思います。

わかりやすくするために、ちょっと乱暴な表現ばかりになりますが
被災経験のある方は怒らないでください。ごめんなさい。

阪神淡路大震災は、広域の大災害としては戦後最大規模でした。
罹災証明を発行するにも、判定する建築士や専門家を集めなくてはならない。
罹災証明がなければ、明日会社が倒れてしまう。
そんな人もいたでしょう。
しかし、全壊・半壊認定にはずいぶん時間がかかりました。
また、どう見ても住めそうにないのに。無情にも『半壊』認定が出た方。
全壊に比べて、補償も半減します。
1000万受けられるかもしれない融資が500万しか受けられない。
「頼むから全壊にしてよぉ」そんな声も聞こえてきました。

東日本大震災では判定すべき家屋も津波で流されてしまってない。地形までもが変わってしまっているので
住所地も、みあたらない。
ある保険会社では、グーグルアースの地図と、被災後の空撮写真を見比べて
いち早く保険金が支払えるように判定したそうです。

話を戻して
罹災証明は持ち家・アパートに関係なく発行されますから
住民票に登録されている決まった居住地がある人は、もらえると考えればよいと思います。
※あくまでもざっくりですから。心配な方は自治体ホームページや過去の被災地の罹災証明についてお調べください。

そう考えると、気づいてほしいことがあります。まず
実家に住民票をおいて、県外の友達の家に居候している人→被災しても
                     なんの補償もありません。
進学で実家に住民票を置いたまま、県外に住んでいる人→被災しても
                     なんの補償もありません。
営業で訪れた出張先で被災した人→罹災証明は出ないけど、労災保険が
                機能するかもしれません。
ネットカフェの住民→入店の記録が水没したり燃えたりすると、あなたの証明が
          消えてしまいます。
          最悪、死亡したら身元不明遺体になります。

「けがをしたから補償してよ」

こんな言葉は、被災地では通用しません。
まずは、自分が被災したら。どんな補償が受けられる立場にいるか
よく考えてみることが大切です。




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2018年06月28日

義援金というマジック

~「日本でいちばん大切にしたいリフォーム会社」の社長が書いた~ 住宅リフォームを考えたら必ず読む本
~「日本でいちばん大切にしたいリフォーム会社」の社長が書いた~ 住宅リフォームを考えたら必ず読む本

大阪府が義援金に関する発表をしました。
単純に「早いな」と思う人は多いと思います。

今回はとにかく、被災地がピンポイントで。被災人数が少ないことが大きいと私は考えています。
思い起こしていただくと
阪神淡路大震災は神戸全域(それでも北区西区の被害は長田区とは全く違う)西宮・尼崎・宝塚など
人口も多い地域。
さらに、淡路島や大阪の一部にもたくさんの被災者がおり、避難所の解消にも1年以上かかりました。

東日本大震災に至っては、岩手・宮城の大被害に加え、発電所と津波の複合的に被害を受けた福島。
茨城や千葉、東京でも死傷者がでるというとんでもない広域被害で被災者の数も多く
罹災証明を出すにも、判定するべき家屋も津波で流されて無い。
家族全員が亡くなったご家族の場合は、被害の申告をするすべもなく
つまり、誰が被災者なのか。全くわからない状況ですから、義援金の分配は天文学単位に難しかったと思います。

さらに、1000万あったとして。10人で分けたら一人100万。
100人で分けたら一人10万。1000人で分けたら一人1万円です。
分母が大きくても分子が大か小かが大きな問題。
100億集まろうと1000億集まろうと、1軒のお宅には大して入らないのが義援金です。

仮に、家屋全壊判定が出て。200万もらったとしましょう。
リフォームしたことがある方ならわかると思いますが
200万でどの程度の工事ができるでしょうか。

壁紙をちょっと張り替えて。キッチンを入れ替えて。
間取りを少し変えて。
このぐらいなら200万でできるかもしれません。しかし
被災した家
地震・大雨の床下床上浸水の家は、土台や基礎に問題が起きていることが多いです。
表面の化粧をはがし、骨組みだけにして補強や取り換えをしないといけません。

美容整形に例えると
鼻にシリコンをいれたり、ヒアルロン酸を注射器で入れる程度ではなく
骨の移植や他人の足との取り換え手術ですから、美容クリニックのレベルではなく
大学病院での危険を伴う大手術になります。

ですから、費用も100万単位では無理。
悪い言葉でいうと、焼け石に水程度しかもらえないのが義援金なんです。もちろん
困った時のお金は1円でもありがたいですが、1万円もらっても冷蔵庫は買えない。
被災したことがない人は「いいなぁ。500万ももらえて」なんて思ったりするでしょうが
500万もらっても、元通りの生活は戻らない。

その痛みの共有ができる想像力を持たないと、「備え」もできないのです。
「うちの家、200万もらっても800万足りないな」と思ったら、その800万をどうするのか。
貯蓄するのか。地震保険に入るのか。考えないといけません。さらに
過疎地に住んでいる人は、分母が小さいので義援金もすぐにもらえるかもしれませんが
東京など大都会や住宅密集地に住んでいる人は、分母が大きいと考えるべきです。

さぁ。あなたが被災したとして。何日後にいくら、もらえるでしょう?




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